世界遺産暫定リストの追加選定

文化庁では昨年末に世界遺産暫定リストの追加選定に向けて、地方公共団体から提案書を受付け、全国から24件の応募があった。その中から今年1月に開かれた文化審議会世界遺産特別委員会において富士山などの4件が我が国の暫定リストとして追加選定され、その他は継続審査案件として次年度以降に追加選考されることとなった。特別委員会によると、「善光寺信仰は広く民衆に浸透し、善光寺を中心とする宗教空間の中に仲見世などの町並みが形成され、受け継がれた良好な景観は価値が高い」としながらも「日本の仲見世や門前町という観点から本資産の位置付けについて検討が必要」とし、善光寺境内の建造物だけでなく門前町である宿坊や仲見世についても資産の範囲を明確にする必要性が指摘された。

■我が国の世界遺産
法隆寺、姫路城、古都・京都の文化財、白川郷・五箇山、原爆ドーム、厳島神社、古都・奈良の文化財、日光の社寺、琉球王国のグスク、熊野古道、白神山地、屋久島、知床半島、石見銀山

■暫定リスト

古都・鎌倉の社寺、彦根城、平泉の文化遺産
(追加選定されたもの)富岡製糸場、富士山、飛鳥藤原遺跡群、長崎キリスト教会群
(自然遺産) 小笠原諸島

■継続審議案件

青森県の縄文遺跡群(青森県)、ストーンサークル(秋田県)、出羽三山と最上川(山形県)、佐渡-鉱山(新潟県)、近世高岡の文化遺産(富山県)、霊峰白山(石川県)、城下町・金沢(石川県)、若狭の社寺群(福井県)、善光寺(長野県)、松本城(長野県)、妻籠宿(長野県)、飛騨・高山の町並(岐阜県)、四国八十八霊場(四国4県)、三徳山(鳥取県)、萩城・城下町(山口県)、錦帯橋と岩国(山口県)、九州・山口近代化産業遺産群、宇佐・国東半島(大分県)、沖ノ島・宗像神社(福岡県)、竹富島・波照間島(沖縄県)